目黒区美術館の「太田喜二郎と藤井厚二展」を見に行ってきました。
目黒といえば庭園美術館には何度も言っているのだけれど、目黒区美術館の存在はつい最近まで知らなかった。
[sanko href=”https://www.mmat.jp/” title=”太田喜二郎と藤井厚二-日本の光を追い求めた画家と建築家” site=”目黒区美術館”]
というわけで今回が初訪問。太田喜二郎と藤井厚二も今回初めて知った。
目黒駅から権之助坂(ごんのすけざか)を下り、目黒川沿いへ。
午後早い時間の太陽の日差しは強く、じりじりと脳天が焼けるようだったけれど、川沿いの桜並木の木陰に入ると暑さが少し和らぐようだった。
目黒川沿いの桜並木は春になると多くの人で賑わう都内有数の桜の名所。かつて会社帰りに目黒川沿いをよく歩いたものだけれど、さくらの季節の記憶がまるでない(笑)
きっと桜の季節は避けたのだろう、と思う。
延々と川の両側に続く桜並木、満開の季節はさぞかし美しいのだろう。見てみたい気はするけれど、きっと私は来ることはない。人にもまれながら桜を見るよりは小さくても1人でゆっくり見られる桜が好きだ。きっとかつての私もそう思ったに違いない。
目黒区美術館の看板を見つけて左折し、公園の中を抜けていく。隣接するプールは大賑わいで明るい声が響いていた。
目黒区美術館へ
駅から徒歩で10分と少しくらいだろうか。目黒駅から続く権之助坂はけっこう急で、行きは下りだけれど帰りは登りになる。下るのはいいけれど登るのはちょっとしんどいかも。夏だし。
目黒川沿いの遊歩道は木陰になってわりと涼しい。地元民らしき人々がウォーキングしたり、ランニングしたり、犬を散歩させたりしていた。
今回見た展示はこちら。
太田喜二郎と藤井厚二
どちらも知らない人だけれど、冷房がきいた館内はひんやりと心地よく汗がすーっと引いて行った。夏は散歩は控えめに、美術館や博物館などを巡るのがいいかもと思った。
土曜の午後にも関わらず客はまばら。
大丈夫なのかしら?とちょっと心配になるほどだけれど、有名な画家の展示を混雑のなか見るよりずっと快適だった。上野やBunkamuraの大型企画展ばかり足を運んできたけれど、マイナーな(失礼)美術館もいいもんだとしみじみ思った。
当たり前のことから少しずれた場所にも「いいこと」が隠れている。普段、私が気づかないだけで。存在さえ知らなかった目黒区美術館、存在を知ってその場所を訪れてみると私の暮らしに1つのいろどりがうまれた。
これからはどんどんマイナーな美術館を巡ってみよう!と心に決めると心が弾むようだった。
太田喜二郎はベルギーに留学経験があり、そこでモネに大きな影響を受けたエミール・クラウスに師事した画家。
光の表現を追求し続けたという太田喜二郎の作品はどれも表情豊かな光に満ち溢れていた。
印象的だったことをいくつか。
- 光そのものを表現することは画家には難しいが、逆光の中に対象を置くことで後光のように光が描かれる。
- 光を描くには影を描く。木陰の中に対象を置き、木漏れ日を描くことで光を表現した。
あるものを描くにはそのものを描かないこと。描かないことで描きたいものが見えてくることがある。
つい目の前にある対象ばかりに気を取られそうになるけれど、あえて目線を外した方がよりいい景色が見えるのかもしれない。なんて思った夏の日でした。
目黒区美術館のアクセス
- JR山手線・東京メトロ南北線・都営三田線・東急目黒線 「目黒駅」徒歩約10分
- 東京メトロ日比谷線・東急東横線 「中目黒駅」徒歩約20分
- 東急バス :「田道小学校入口」徒歩約3分 渋41・渋72系統 /「権之助坂」徒歩約5分 黒01・黒02・黒06・黒07・東98系統
※駐車場はありません。
目黒区美術館の営業時間
10:00~18:00まで(入館は17:30)
月曜日(祝日・休日の場合はその翌日)/年末年始(12 月28 日~1 月4 日)/展示替期間
コメント